179話 神王界を半壊させる力2
筋肉痛治ったと思ったらまたなるとは………
「それよりも早く無心にならないと死にますよ?」
この言葉に神王達が錯乱し、攻撃する者と逃げ惑う者に別れた。
これには女神王達、創造神王もドン引き。だが全体の八割がレンのファンのような動きをしている者達で、何故か分からないが目をハートに変わり、黄色い歓声が大きくなっている。
これを見た錯乱している男神王達の一部は嫉妬が高まり、暴走。一部は絶望していた。
「わかりやすい人達だなぁ。別に関係無いけど」
それよりも早く終わらせて帰らなければ何されるか分からないという不安に襲われているレンはスピードをあげた。
ここに呼び出されてから約一時間。一時間しかたっていないが澪達は何かをするはずだと直感がいっている。最低でも十分、長くて一時間で創造神王の依頼を終わらせたい。
だが何かまだこの後に残しているようにも見える。神力がそう語っている。二つの嫌な予感がレンの心を襲う。
僕が見えてる未来では澪達がここに来る。いや、襲来する。だから…………
「時間がないのでもう終わらせますね、『滅亡爪・焉核』」
逃げ出したくなる程の力を纏った爪を振りかぶると天が黒く染まり、爪へと急速に集まってくる。
攻撃していた神王達も身体が勝手に逃げ出し、全力で結界を張る。
そこに向かってレンは、無慈悲にも爪を振り下ろした。
その瞬間、辺りが漆黒に呑み込まれ何も見えなくなる。
少ししたあと、辺りを呑み込んでいた漆黒が消え、レンを中心に無数の斬撃の跡が残っていた。それも大小様々で、これが空間自体にも残っている。
空間そのものまで切り刻み、残っていた男神王達は完全に消えていた。
「危なかったですよ!?何なんですかその危険極まりない技は!もしあなたが使う前に結界を百層と結界系神器を二十個作ってなかったら、私とその後ろにいる神王達もろとも消えていましたからね!?」
後一枚だけのひび割れた結界を見て本当にギリギリだったということがわかる。
「それに神王界を半壊まで追い込んだ神王は歴代最強神王の中でもいませんから!」
………そこまで?