178話 神王界を半壊させる力1
やってしまった…………
17時間も寝てたなんて………
「最後に見せる力は僕自身に元々なかった力を昇格、神格化させたものだ」
白虎や龍などと同じように爪を変化させていく。先程よりも明らかにヤバい雰囲気を纏い始め、それの発動を畏怖した生き残っている神王達が止めるべく動き始める。
剣による袈裟斬り、拳による正拳突き、槍による薙ぎ払い、斧による両断、弓による連射などなど。神王の得意分野の攻撃がレンに襲いかかってくる。それを目をつむりながらかわしていく。
「くそっ、なぜ当たらない!?」
「目を使ってすらいないぞ!」
「この人数の攻撃を見もせずにかわすなんて………!」
様々な声も聞こえるなか、レンの爪、終焉をもたらす爪が形成されていく。その影響で肌から五十センチ辺り以内に入った武器、魂に宿っている能力、スキルが一つ、また一つと消えていっている。
しかもレンはわざと五十センチ以内にギリギリ入るように避けている。
焦り、恐怖、怒りの籠った攻撃。神王達の嫉妬も合わさり、レンが目を閉じていても避けられるという状況を産み出していることに創造神王以外に気づかない。逆に無心になりさえすれば当たる攻撃なはずなのに。
この間にもレンの爪は完成まで近づき、神王達の力を消し弱体化させていく。
「戦い中に感情を外に出している内は僕に攻撃を与えることすら出来ないよ。まぁ……………例外はいるけどね」
澪達のことを思い浮かべながら言う。そう、あのメンバーだけは何故か分からないがレンにダメージを与えられる。
苦笑いしながら、なおかつ目を閉じながら喋る。
そこでやっと自分自身の弱体化、武器の弱体化に気づき神王達が混乱し始める。
「あ、気づいたんだ。攻撃するたびに力を失ってたことに」
煽るように喋る。いまだ攻撃してきている神王もいるため避けながら。