170話 終焉神王の力(喰狼)1
活字中毒って言われるんですがそんなことないです。………ないよね?
「ならば犬科の神が相手だ」
「俺たちはそう簡単には死なぬしお前なんかには負けん」
「お主の首は貰う」
威勢のいい神が集まってくる。
実は神王達の言葉からもわかる通り、猫神王や精霊神王が殺されたことを知らない。最初だけは白虎神の力を出して貰うために猫神王を出していたが、その後はレンが姿を変えるのに合わせて出てくるようになっていた。
当然それを知らなかったレンでも理解した。
「なにが戦う力がないだ。こんな器用なこと出来るくせに」
「全く、どこまでキリヒメに似れば気がすむんだ」と呟く。聞こえていたのか知らないが、創造神王は女神王達の真ん中で微笑んだ。
「それより早く殺ろうか。この姿になると血が騒ぐ」
血が騒いで仕方ないのか最初から全力で動いた。まずレンは鎌を振り回す。それが終わると鎌の先を地面につき、魔力、霊力、神力を溜めていく。
それを止めようと神王達はレンに向けて攻撃をしかける。しかし攻撃した武器、あるいは腕や足が切れてしまい離れざるをえなくなる。
「どういうことだ!?切断された腕が回復できない!」
「武器をくっ付けることも出来ないのか!?」
回復、再生しようにも効果がない。それは当然だ。喰われたのだから。
鎌の効果と喰狼の力によって傷を負った場所は喰われてしまい、その状態が正常なのだと細胞が認めてしまったために回復、再生できない。これを治せるのはレンのみだ。
そんなことをしている間にもレンの魔力、霊力、神力は溜まっていく。これを見た神王達は焦りの表情を浮かべる。だが止めることが出来ない。
それどころかレンの鎌が通っていた場所に触れたものが傷つき、再生も出来なくなってしまう。なす術がないと普通の神王でも諦める、がプライドが高い男神王たちは認めずに突っ込んでいく。魔法も飛び交い、レンの周りはあっという間に危険区域になってしまい、創造神王達女性陣がレンの姿を見ることすら出来ないほどになっていた。