170話 終焉神王の力(精霊)2
睡眠が足りない……
辺りが見渡せなくなる程の花吹雪が舞狂う中、レンは両手に持った短刀を振るう。それに合わせるかのようにレンの放った攻撃が着実に入っていく。
様々な色の花吹雪が女性陣を魅了し、それと共に凶悪な刃物、レーザーとして神王達を屠っていく。それも何も残さずに。
そんな中、花吹雪に同化したレンが完全に精霊化し死ぬ寸前で耐えている神王を見つけ、切り刻む。
そして等々一人だけが残り、『神蓮舞・覇刃』が解除された。
「へぇ、生き残ってたんだ。この業の中に入ったら最後、骨一つ残らずに花びらになっちゃうのに」
「はぁ、はぁ、まさかここまで強く凶悪だとは思わんかったぞ………。何故、花の精霊が今まで出てこなかった理由がわかった」
存在事態が危険、魅了をする力を持つ、そして殺した人を自分の力として扱うことが出来る。こんな精霊が最初からいたとすれば誰も手をつけられず、もし暴走してしまったら止めることは不可能に近い。
そしてただでさえレンが強いのに、花の精霊でもあり、それだけでなく他にも力を有している。こんな事実信じたくも考えたくもない。
なんなら一思いに殺してほしかった。そう思ってしまうほど精神的にも身体的にもボロボロなのだ。
だが自分自身が男の精霊神王のリーダーであり一番強く今までで最も火力があると言われていた雷の精霊。新人神王に負けると言うことはプライドが許さない、許してくれない。
「もうここまで圧倒されて残すことはないが、一方的に殺られてた分俺の攻撃もくらってくれや。まぁ俺も防御してたからお前も守っていい」
そう言った神王の手から神雷が放たれる。
「雷で育つ神界の花『神雷花』」
当たる直前で黄色い花に包まれ、開いていた部分も完全に閉まる。
神雷とぶつかった衝撃によって神雷花から小さい黄色い花びらが飛び散る。
「勘弁してくれよ。無傷か」
神雷を吸収して育ち、花が開いた。その中には無傷でラグナと一緒に佇むレンがいる。
そしてラグナの手によって完全に消滅した。すぐにレンは人狼の姿に変え、ラグナを鎌に変化させた。
「次は喰狼神で行くよ」