166話 絶望する心
やっと……やっと終わった。
赤い闘気を纏った拳がオカマ神に向かっていく。だがそれをわざと受けているオカマ神。
一向に倒れる気配がないどころか、殴っている拳の方にダメージが蓄積されている。まるで星を相手しているような感覚に陥ってしまう。
「もうひとつ上の力を使わないとあたしにはとどかないわよぉ♡」
そう言ってオカマ神はなにもない空間に手を突っ込む。何かを掴んだのかそれを引っ張り出した。
「え、ここどこですか?あと先輩何やってるんですか。早く戻ってレン様の役に立ちにいきたいんですけど…………ん?あれ、拳聖君じゃん。どうしたの?」
オカマ神が引っ張り出した少女はメイド服を着ている。そしてこの状況がよく理解できていない。
「フレちゃん、この子とあったことがあるのよね?貰っていいかしら?」
フレストリアは自分が出てきたことで攻撃を止めた拳聖を見た。
拳聖は今自分が戦っていた相手は本物の神だったと知ったことによって顔を青ざめている。
「この子を?いいですよ。というより帰っていいですか?早く戻らないとスカイさんにお仕置きされちゃうので」
「いいわよん。ごめんね勝手につれてきちゃって」
「いえいえ。それとなんなら国ごと上げますんで、さよなら!」
元気よく引っ張り出された穴に飛び込んで行ったフレストリア。それを見た拳聖は先程のフレストリアの言葉により一層顔を青ざめ、今にも倒れそうなほどだ。
あらん?もしかしてこの子………フレちゃんに恋してたわね。まあこれであたしのものだからどうでもいいけど♡
「ごめんなさいね。あたしの目的はあなた一人だったのだけど、国まで貰っちゃったから♡」
そう言って心が折れる寸前の拳聖にゆっくりと近づいていく。だが拳聖は動けない。フレストリアが言ったレン様という名を誰なのか理解したからだ。
「続きを………って言いたいけどもう無理ね。じゃあ行きましょっか。あたし達の国へ♡」
この出来事により、戦王国からはフレストリアの加護が消え、オカマ神の加護へと刷り変わった。この国はいろんな意味でヤバい国へと進化したのだった。
次回はレン達の方へ戻ります!
いやぁ自分でも何書いてたんだろうと思ってしまいましたよ……