162話 緊急事態(襲来)3
前回。
再生能力があったら殺すにも殺せない化け物になってたかもしれないオカマ神………
「でもぉ、冗談で言ったつもりが腕消し飛ばされるなんてねぇ。ついてないわぁ」
体をくねくねと動かしながらそう言う。遠くからでもこの状況がわかってしまうレンにとってはトラウマになりかねない。というより、なぜ岩の中に何ヵ月もいたはずのオカマ神が生きていたのかを知りたい。
しかし今のステータスを覗こうとしても、それに気づいたオカマ神がこちらを獲物を狙う目で見てくるためできずにいる。
「それよりもぉ、やっと復活できたしぃどこかに遊びに行こうと思ってるんだけどぉ、生き物の数が減ってるのよねぇ」
なぜわかる?と言いたげな表情でオカマ神を見るレン達。
「それはなあ、勇者がいた国が取り返しのつかねぇ馬鹿だったってだけだ。神を怒らせることがどれだけ愚かなことか知らなかったんだよ」
「あらそうなのぉ。じゃあ残ってる子達を探しに言ってくるわねん♡」
「勝手に行っとけ。そして戻ってくるな。戻ってきたら次こそは消し飛ばす」
「恐いわねぇ。そんなことしてたら綺麗な顔に傷がつ――」
言っている途中で龍神がぶん殴り時空魔法で遠くまで吹き飛ばした。
「まったく面倒な奴だ。最後に変なのおいていきやがった」
足元にある紙を拾う。
―
龍神ちゃんへ
今からあたしの後継者を見つけに行ってくるわん♡それとお婿さんも♡だから探さないでね♡
愛しい愛しい神より
―
「………」
ビリビリビリ!
無言で紙を破き、魔法で消滅させた。笑顔なのだが怒りを隠せていない。
それに気づいたレンはすぐに元の作業に戻った。龍神の怒りがこちらに飛んでこないように。
その後、戻ってきた龍神は神域の周りをうろうろしていた神獣達を片っ端から殴り込みをしていったらしく、全身返り血で真っ赤に染まっていた。
その姿をみたレイは大激怒し、龍神はまる一日正座させられた。もちろん硬い地面で、なにも食べさせられずに。(ただしお風呂に入れられた後に)