161話 緊急事態(襲来)2
前回。
嫌なやつ復活しちゃったなぁ。
「そいつらに近付くんじゃねえぞ?娘達とその夫なんだ。何かしようとすんなら消し飛ばす」
いつでも攻撃できるように構える。拳は闇でコーティングする。
「いやねぇ。ただ封印を解いてくれたこの子を渡そうかと思っただけよぉ」
そう言って右手に持っていた水神をレンに向かって投げる。
「えっ、ちょ」
いきなりのことに驚き、叫ぶどころかあたふたしている。
レンは飛んでくる水神をキャッチしよう―――と思ったがあえて時空魔法でゲートを作り、近くにあった池に落とした。ぐったりしながら浮かんでくるがスルーしておく。
「せっかく渡してあげたのにその仕打ちはないんじゃないの?そんなこにはお仕置きしたいけど今は出来ないのよねぇ。龍神がいるしぃ」
「どうでもいい。お前がなにもせずに失せるならなにもしねえ。だがここにいる娘達に手を出そうとすんならどうなるかわかってるよな?」
「なら誰か一人いい男いないかしら?もちろんそこにいるレンちゃんでもい」
レンの名前を出した瞬間、龍神によって殴り飛ばされ、神域の外に出てしまう。オカマ神はすぐに立ち上がるが、後ろに回り込んだ龍神が神力を込めた拳で下から殴りあげる。
空中に飛んだオカマ神に手のひらを向け、神力を溜めていく。
「こっちにはまだやることが残ってんだ。それにレンは龍の王。お前が触れていい相手じゃねえ」
溜め終わった神力が球体として手のひらの前に出現した。
「じゃあな」
その言葉と同時に、球体から龍の息吹が放たれた。
隙を与えない連続攻撃になす統べなくオカマ神は息吹の餌食になった。
だが、
「おいおい、まじかよ」
暗黒覇龍の息吹を食らった筈のオカマ神は腕を一本消し飛ばされただけで無傷だった。
「あたしの固有スキルの『犠牲の気持ち♡』の効果で消し飛んじゃうくらいの攻撃を食らってもからだの一部を犠牲にすることでその一部以外は無傷ですむのよん♡」
「まったく、面倒なスキルだ」