140話 マヤの怒り2
前回。
ブチギレ寸前までカウントダウンスタート!
「こ、このドラゴンは……!今無き父が若い頃に封印したとされるカースドラゴン!聞いた話によると地下深くに封印していたはず」
以外と詳しい。今無き父ってことはこの王様?の前の王様か。………ほんとだ。うわっ、前の王様の方がよかったじゃん。前の方が国が荒れてないし精霊も至るところにいたみたいだし。
前の王が死んだ頃に国民に無理を強いるようになってきたらしい。挙げ句の果てには精霊に見捨てられて、精霊を見える人も産まれなくなったようだ。
「そうです。私はこの子がいることは子供の頃、冒険者になる前から知ってました。遊んだり、この国の闇を知って泣いたり、何度も何度もこの子の場所に足を運んでました。封印されている中、それに傷つけられながらも慰めてくれ助言をくれてくれる優しい子でした」
マヤがカースドラゴンの頭を撫でながら言う。
「ですか私がここに来た時には死んでしまっていた。私の分身を送った時、封印された状態のまま鱗は剥がされ、魔石まで取られ、無惨になった状態になっていた。それでも私を待っててくれた!必ず戻ってくると信じて!」
マヤの目から涙が零れる。
「ふ、ふん!それがどうしたっていうの?ここにいたってことはこの国の財産。何をしたって罪には問われない」
黙っていた王女が喋る。
それを聞いたマヤは怒りを抑え込みながらカースドラゴンを撫でる。見ればマヤは撫でながら加護を付与していた。魂魄神、魔法神、精霊神の加護LvMaxを。それによりカースドラゴンのステータスは爆上がり。この国にはすでに勝てる人はいない。
「好きに暴れていいよ。ただし上にいる人達と今近くに降りてきた人はダメだよ?私の大切な人達だから」
マヤの言葉に頷き、動き始める。マヤは降りてきていたレンにコツンと頭を小突かれたが笑顔を抱きついた。レンは苦笑しながら澪達のところまで戻る。
「だ、ダメだ。か、勝てるわけない。神獣クラスのドラゴンだ!」
王の近くにいた勇者が叫ぶ。それを聞いた王女は一目散に王宮の中へ逃げ込もうとする。
ガアアアアアアアア!
カースドラゴンはそれを逃がすはずもなく、咆哮を放ち結界を張った。この結界はマヤの加護の付属みたいなものだ。
咆哮で硬直した隙を突かれた王女は逃げ場を奪われ震え始める。この王女には戦う力などない。マヤの功績を奪っていただけの弱者だ。しかし王はそれを知らない。
逃げられないと悟った勇者達はがむしゃらに攻撃しているが、鱗には傷一つつかない。それどころか勇者達が持っていた武器が崩れ始める。
「いかん、一旦戻れ!カースドラゴンには呪操作というスキルがある!一定の距離を保たないと呪われるぞ!」