132話 準備?
前回。
やっと名前が決まった……
「そうと決まったなら早めに準備した方がいいと思うぞ」
大海神がレンに向けて言う。
「だね……だけど準備と言っても迎えに行くのと『代償召喚』の打ち消しくらいだからすることが……」
「言うの忘れておったが彩愛は精霊姫じゃ。周りには国に僅かしか残っておらんかった精霊達がおる。その子達もついてくるはずじゃから住居、といっても過ごしやすい場所を作ってやらんといけんかもしれん」
なるほどな。だけどここに来るということは神々に囲まれると言うことになる。
この場所にいる神でなかった者達(神霊達と風裂王の眷族達と魔王達三人)には神覚の実を絞って作ったジュースを飲ませて神へと昇格させてある。
神樹からは神力が溢れているため、神でないものには毒となる。神獣には普通の魔物よりも効きにくいが悪い効果を及ぼすことがある。そしてここにきた魔王達三人はそれに気付かずに倒れかけた。神霊達と風裂王の眷族達はレンと繋がっていたため、神力に体が馴染んでいたようだ。
だが念のためとして神へと昇格させた。今では神獣神霊を相手に戦ったとしても無傷で勝てるどころか数十体相手でも余裕で勝てる強さを持っている。
そんな場所にきたら彩愛が毒過多で大変なことになってしまう。なのでまずライルに神覚の実を作って貰い、澪達とメイド達に加工、調理して貰う。ついでに神覚の実を使ってデザートを作ってもいいと言ったためか、スカイ達以外の女神達、澪達はものすごいスピードで走っていった。そこには元序列十位以内の女神達もいた。
「さて、今まで忘れてた澪達専用武器とかを作ろう。一応皆の分も作るんだけど要望効いてきて貰ってもいいかな?」
「承知しました」
いつの間にかいなくなっていた大海神達にも効いてきて貰うことにした。
彩愛って人の武器は……ガントレットでいいのかな?というより装飾品系のほうがいいか……どうしよう。それに澪達に婚約指輪も作らないとそろそろヤバいかもしれない。
レンの頭にはすでに澪達と彩愛の武器作りのことしかなく、勇者達と国のことは全く頭になかった。
「戻りました」
戻ってきたスカイ達が紙をまとめて渡してくる。
「お疲れ。……ん?彩愛って人の奴も書いてるけどどういうこと?」
「それは創造神から聞いて参りました。どうやら蹴り技が得意のようでして、靴辺りがいいのではと言われましたので」
「そういうことか。なら作り始めるから少しはなれてて」
スカイ達は言われたとおりに離れてレンの作業を見守った。そしてこっそり、紙に自分のほしい武器を書いていたことは内緒だ。