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絶望した化け物は危険区域に住み着きます  作者: 不知火雫月
三章 魔王襲来
128/213

127話 荒れる勇者2

 前回。

思い込みは痛い目に合うことがありますからねぇ。多分合うはず。

「ああああああ!?」


ベットの上で灰斗が胸をかきむしりながら叫ぶ。


「ど、どうしたのだ?治ったはずでは……」


「はい、ステータスを見ても状態以上にかかってませんでした。もしかしたら一ヶ月も続いたことで魂自体が元々そうだったと思い込んでいるのかもしれません」


司教が調査結果がかかれている紙を王に手渡す。それを見て頭を抱える。


治ったはずが刷り込みのような状態になってしまったという絶望、ショックが王の頭を駆け巡る。大切な勇者がこのような状態では、この国が負ける可能性があるからだ。


勇者が持つ聖剣は自己再生したが、使う本人がダメでは危険極まりない。マヤという天才かつ優秀な頼れる娘がいない。しかもマイナは馬鹿で平凡、それに何をしても自分が悪いと思わないときた。


もうダメなのかと思いながらやっと落ち着いた灰斗のステータスを開いた。



《名前》矢口灰斗

《種族》異界人

《ジョブ》勇者

Lv47


体力 50000

魔力 50000

筋力 50000

忍耐 50000

俊敏 50000

精神力 50000


《固有スキル》

聖剣召喚 飛斬


《スキル》

剣術Lv5 体術Lv7


《アクティブスキル》

聖剣技Lv4 


《魔法》

火魔法Lv5 聖魔法Lv5 強化魔法Lv5



加護が消えている。王は仮説を三つたてた。


一つは手を出してはいけないとされている人化した神獣に手を出してしまった。一つは加護を消すことのできるスキルまたは魔導具を所持していた。一つは神の怒りに触れてしまったということ。


仮説をたてても次から次へと疑問が生まれてくる。本当に神獣だったのか?などなど。


実は仮説はほとんどあっている。神獣の力を有していてその存在に攻撃したことで神の怒りに触れ、加護を消されてしまった。そして天使はこのことに文句は言えない。言ってしまえば自分が消されてしまうからだ。


その天使は最上位の天使だったのだが下位まで落とされ、加護を与えたとしてもほとんどの効果が微妙に上がることしかない。


そんなことを知らない王はこれからのことに頭を悩ませた。


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