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絶望した化け物は危険区域に住み着きます  作者: 不知火雫月
三章 魔王襲来
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126話 荒れる勇者1

 前回。

ヤバい、名前が決まらない。

 俺は大森西牙。

あの化け物に連れていかれた澪を助けるため、ダンジョンでレベルを上げていた。


その日、勇者の鑑定士達が見たはずのステータスを聞き出したが、全て?で何も分からなかったと言って皆逃げていく。唯一逃げずにレベル上げをしている戦闘鑑定士という女子だけだ。聞いても同じ事しか分からなかった。


そしてつい最近、その女子が『代償召喚』という固有スキルを持っていることが判明した。しかしそれを使うと『代償召喚』を使った者の何かを代償として渡さなければならないらしい。


他の仲間には止められていたが、そうも言ってられないと思っている。なぜなら澪がいるのはここから百年以上もかかると言われている場所らしいのだ。


そこに行くのに百年もかけるわけにも行かない。だから俺は調べた。調べた結果、三つの手段が出てきた。


一つは転移という魔法。一つは神獣クラスの魔物を召喚。一つは自ら神獣クラスの魔物のところへ行き服従させる。この三つだった。


だが欠点もある。転移はその場所に行ったことがないと使えない。召喚は莫大な魔力を使う。服従は自分一人で勝たなければ行けないということだ。


なので三つ目の服従を実現させるためにレベルを上げ続けた。あともう少しで百になる。しかしわかったのは百では神獣クラスには勝てないことだ。


途方もないレベル上げに俺はイライラし始めていた。そんなときに思いついたのがあの『代償召喚』だった。しかしこれを使えば、出てきた魔物に何を要求されるか分からない。だがそんなことはもう頭の中にはなかった。


今は会うたびに『代償召喚』を使えと言っている。しかし中々言うことを聞いてくれない。日に日に焦りと苛立ちが強くなって、部屋の物や壁を破壊してしまうことが増えてきた。


それも固有スキル『六衝拳』を発動しながらだ。『六衝拳』は発動した状態で殴った場所に百パーセント同じダメージを六回与えるスキルで、壁に殴れば粉々になってしまう。


何度も壊したが焦りと苛立ちは収まらない。そして俺は一ヶ月後になにも結果が得られなければ脅してでもその女子に『代償召喚』を使わせると決めた。早く澪を助け出したい気持ちしかない俺は今日もダンジョンに潜った。



この時西牙は思ってもいなかった。一ヶ月後にはすでにその女子が消えたあとだったということを。


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