122話 メイド
前回。
呼んでいきなりメイド……
天空龍にまずは今の状況を話した。今いる場所は神樹の麓と言うことも話した。
「この広さでしたらあと三人いればなんとかなります。他にも暇そうにしている神霊がいるようです。私は龍ですので、出来れば他の種でお願いします。私一人では奥様方のお世話が難しいと思いますから」
澪達を見てそういう。なんとレンが苦労人だと理解したようだ。
言われた通りに強制召喚で神狼、神鳥、神級悪魔を呼ぶ。何故か分からないが、呼んだ時にはその種特有の姿をしていたはずが、レンの姿を見て人化した。しかもメイド服を着た状態で。
天空龍の姉妹と言われてもおかしくないほどにている。種族は樹命狼、雨血鳥、王魔というらしい。王魔は魔王とは違い、悪魔の頂点とのこと。
一人一人がハイスペックなスキル持ちで忘れられていた巨人、夢魔は鬼人がやられたのと同じように首から上を出した状態で埋められていた。その頃魔王は王魔の手によって何かを刷り込まれている。
聞いてみると「あなたはレン様のメイド、あなたはレン様のメイド……」と永遠に繰り返されていた。そして魔王は「レン様のメイド、レン様のメイド……」と完全に洗脳されかかっている。
天空龍はすでにここからいなくなっており、そこら中に散らばっていた神霊を集めて人化させていた。人化させてすぐにメイド服を着させてメイドの心得を叩き込んでいる最中だった。
訳がわからなくなり目を数秒閉じ、開けると事が終わった後だった。
目の前には数十人のメイドがずらりと並んでいて、よく見るとファンクラブのメンバーまで入っていた。魔王まで並んでいるのを見ると洗脳が終わったらしい。しかもその洗脳が魔法を使っていない洗脳だったためか、本気で自分はメイドだと思い込んでいる。
「天空龍……いや、スカイ。何これ?」
召喚した四人が一番前でビシッとしている。
「メイドの準備が整いましたので並べました。それとスカイと言う名前ありがたく頂戴します」
「そ、そうか喜んでもらえて嬉しい……あと三人の名前だけど樹命狼がウラル、雨血鳥がレイン、王魔がアルマでいいかな?」
名前をつけて貰った三人が泣き崩れた。慌ててしまったが、どうやら名前が貰えて嬉しくなり泣いてしまったらしい。
この日、最強のメイド集団が誕生した。