121話 カオス化する場
前回。
魔王軍……一人一人が何らかの問題を抱えている設定にやっと気づいた作者でした。
「おい、お前!お前がそこにいるNo.1とNo.5がいる奴等のリーダーなんだろ?俺と戦いやがれ!」
いきなり鬼人の男が騒ぎ始めた。でもおかしいことに鬼人には見えない体つきをしている。
「いい忘れてましたが元々あの馬鹿は私と同じダークエルフです。あの馬鹿が魔王城においてあった鬼人化の飲み物を大量に飲んだことによって鬼人になりました。ほんと止めてほしいですよ……同じダークエルフとして―――あ、後でいいですから私と雷狼に名前を下さいね」
飲み過ぎで鬼人になったダークエルフ……なんだろう、他のメンバーもヤバイ気がしてきた。ん?ちょっとまって、今ダークハイエルフ名前をつけろとか言わなかった?
気になって後ろを向くがすでに澪達の場所に移動し、澪達の作った料理を必死に食べていた。もちろん隣にいた雷狼もだ。何故か分からないがテラが雷狼を手のかかる妹を見つめるような目をしていた。正直何がどうなっているのかわからない。
「おい無視するな!」
こっちはこっちで個性がお強いようで。その前に隣にいる巨人と夢魔の動きが気になってしょうがない。
巨人は魔王を宥めながら恍惚とした表情をしている。……一種の変態かな?夢魔の方は鬼人を見ながら何かを呟いている。よく聞くと……うん、聞かなかった方がいいやつだった。少し後悔……
レンも面倒になってきたので騒いでいる鬼人を横目に、目の前に龍を召喚する。召喚された龍は何が起こったのかわからないようでキョロキョロしていた。そしてレンを見て体を震わせた後、人化してメイドの姿に変えた。
「申し訳ございません。いきなりなものでしたので驚いてしまいました。私は天空龍という龍です。メイドとして働きますのでよろしくお願いします」
そう言ってスカートの裾をつまみ、カテーシーという挨拶をされる。レン自信何が起こったのかよくわかっていない。
強制的に呼んだはずの龍がメイドで、すでに準備万端な状態だったということに。
「そ、そうか。よろしく」
「よろしくお願い致します。それと呼ばれた理由はわかっておりますのでご心配なく。すでに終わってますので」
そう言われて気づいたのだが、鬼人は地面から首から上を出した状態で埋められていた。ホラーだとしか言えない。やられた鬼人自信も何をされたのかわからず混乱している様子だ。
どうやら優秀すぎるメイドができたみたいだ。そして周りを見れば全員が自由にしているため場がカオスと化していた。