119話 魔王?3
前回。
枷がなくなったら暴走するのは当たり前……なんだろうか?
あ、待って、フィーラその神眼を発動しようとするのは止め………
「フィーラ。後十分位で魔王が到着するから退いてもらっていいかな?」
「いや」
現在フィーラはレンを押し倒している状態で抱きついている。何度か脱出しようとしたのだがフィーラの神眼がそれを許さなかった。
本当にそろそろでないとまずい。澪達の神力が乱れてきた。殺されるかもしれないから退いてほしい。
「なぁ、本当にヤバイから退いてく」「いや!」
幼児退行してないか?しかも抱きつく力がどんどん強くなってきてるから!待って。澪達が我慢の限界みたいでこっちに向かって歩き始めたんだけど!?
よく見るとフィーラの目がベッドの魅了にやられてハートマークになっている。
なるほど……だから幼児退行したみたいになってるのか。
そうこうしているうちに、澪達が入ってくる。
「忘れてました。ベッドに魅了の効果があるってこと」
キリヒメが思い出し、急いでフィーラをレンから剥がす。そしてすぐに魅了を未来が消した。
正気に戻ったフィーラは今までのことを思いだし、顔を真っ赤にして蹲る。恥ずかしくなってしまったみたいだ。
「!?ヤバイ、後三分で来る!」
魔王達の位置を確認したレンが全員を連れて向かってきている場所へと移動した。もちろん大海神達とファンクラブの神々も一緒に。
一応、神霊達には散らばってもらい神樹の周りを見回りして貰うことにした。無償でやってもらうのは気が引けたため、神覚の実のジュースを渡しておいた。そしたら滅茶苦茶喜んで飛んでいったので問題はないはずだ。
三分後、レンのいる場所に向かって猛ダッシュで近づいてくる六つの魔力に感知系のスキルがないメンバーが気づいた。
なんでそんなにスピード出すかな?種族は天魔、ダークハイエルフ、巨人、夢魔、鬼人、雷狼か。あれ、鬼人って教えてもらったけど僕を含めてあと三人しかいないって、創造神がこっそり言ってたけど魔王軍にいたんだ。
「見つけたあぁぁぁぁ!」
いきなりダークハイエルフが涙目で叫びながらスピードを上げる。澪達が止めようと動こうとするが念話で動くなと伝える。
「あなたのせいでどれだけ苦労したか!しかも魔王様の心を奪うなんて、これでもくらいなさい!」
ダークハイエルフは魔短剣を召喚し振り上げる。振り上げた魔短剣をレンの目の前に来た瞬間、首へと振り下ろす。
レンは振り下ろされた魔短剣を流れるように奪い、逆にダークハイエルフの首に近づけた。
その一連の流れに魔王は、目を輝かせていた。