116話 見つけた勝機
前回。
丸一日やられたら理性崩壊しそうなのに……
澪達の攻めに耐えながら過ごして、とうとう魔王の襲来が明日に迫った。だが澪達の攻めに勝つために頭を使っていて魔王のことは完全に忘れている。
「レン、一緒にお風呂行こ!」
言う前に全員で囲んでるし、ほぼ拉致されているのと同じようになってるんだけど。そんなことよりこの体に巻き付けられた糸は何!?力が入らないんだけど!?
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《レン拘束の神糸》
レンを拘束するためだけに作られた神力で編まれた糸。『ステータス封印』『スキル封印』『耐性崩壊』『軽量化』『不壊』『無効不可』『反射不可』のスキルがついており、レンが触れただけでもスキルが発動する。
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なんで無駄に性能がいいの!?神力の無駄遣いが過ぎる!反射と無効を使えないとなるともう勝てないって……
レン本人のみを仕留めるためだけに作られた糸は無駄に長く、全身を固定されている。魔眼封印だけはなかったのが唯一の救いだ。
レンの魔眼である『星血神龍眼』はつい昨日『神・流転』と統合・進化し、『終神王眼』へとなっていた。
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《終神王眼》
レンのみが使える究極の神眼。『崩壊神眼』『封印神眼』『時空神眼』『核神眼』『弱体神眼』『結界神眼』『看破神眼』『流転神眼』『魅了神眼』が使える。この神眼を越えるものはない。
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初めてわかったけどもしかして、魔眼だけで神に勝てる?
そう考えたレンは、試しに丁度こちらから目をそらしている不死鳥に崩壊神眼を発動する。心臓崩壊するように発動したため、不死鳥は血を吐いて倒れた。その十秒後その場に復活したが、何が起こったかわかっていないのか辺りを見渡している。
バレることなく倒せることもわかったところで、神糸に向けて封印神眼を使い、自分のステータスを元に戻す。また捕まる前に時空神眼を使い、澪達から距離をとる。
澪が氷系統の魔法で逃げ場をなくそうとしているが、レンの目にはその中心となる核が映っていた。それを崩壊神眼で破壊すると、簡単に魔法が消滅する。
普通の神でも不可避な魔法を壊されたことに澪は硬直した。それを見たライル達も硬直した隙を見逃さず、弱体神眼、魅了神眼、封印神眼を使い、無力化する。
やっと見つけた勝機に内心喜びながら、その場に崩れ落ちている澪達を運んだ。