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絶望した化け物は危険区域に住み着きます  作者: 不知火雫月
二章 開拓
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114話 休まらない心臓

 前回。

半減……ステータス半減されないだけましだった……

 意識が飛んで二時間たった。意識が戻ったレンは、目を開かず記憶を遡る。


……そうだった。澪達が改良した調理器具と食器に触りすぎたからこうなったんだ。そんなことより魅了耐性半減はヤバイって。やっと半分だけレジストできたから、ある程度は動けるようになったけど。


寝ている間も常にレジストするようにしていたのだが、レンは魅了耐性半減自体にレジストされるのを防ぐようにされていたことを発見した。ご丁寧に一つ一つに違う対策がされているために時間がかかってしまう。


この状態ではレジストに時間が取られてしまうと思い、目を開ける。


―――え?


目を開くとそこに広がっていた光景に言葉を失う。


ちょ、ちょっとまって。布団が掛けられているのはいいんだけど、僕って今裸!?しかも澪達が下着姿で寝ているってどういう状況なの!?


口が開かないため心の中で叫ぶ。レンの腕を枕にして暗滅神、もといミリアと日葵が寝ている。しかも魅了発動した状態のままだ。


体に力が入らないが魔力、霊力を操作できることを確認すると、自分にかかっている魅了耐性半減と日葵の魅了を全力でレジストを始める。寝ている澪達に気づかれずにだ。


それから一時間、何度か澪達が起きそうになったのだがなんとかそれを切り抜け、ようやく完全にレジストが終了した。


同じことにならないように全耐性を一段階進化させ、全状態異常無効にする。他にも状態異常反射を作った。そして転移を使い、日葵とミリアの拘束から抜け出す。


「あ、レジストが終わってる。ならもういっか―――え」


魅了を掛けようとレンの前に移動した日葵が崩れ落ちる。


「成功した、っと」


「なん、で?」


「魅了を反射したんだよ。日葵自身の魅了耐性は、自分の魅了に負けちゃったみたいだね」


崩れ落ちた日葵を抱き上げて、ベッドに寝かせる。その際に日葵がレジストを終わらせ襲いかかろうとしたので、レン自身が魅了を掛けて無力化する。


澪達がしたように魅了自体に対策をした。五重にしておいたのですぐにレジストされることはないはずだ。


悔しそうにしている日葵の頭を撫でた。


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