111話 女子会兼妻会議2
前回。
空気が変わった。これはヤバイやつだ……!逃げないと………バタッ
部屋の空気が変わったことにミリアは驚き、身構える。
「そうですかそうですか。(最近してくれないのに……」
「私なんか後から来たからしてもらえてないけどね。(私より後にきた人に先越された……」
澪達が笑顔で喋っているがよく見ると目は笑っていない。それどころか視線だけで人を殺せそうなほどの力を持っていそうだ。
あ、フィーラさんがいる位置から見えてる不死鳥さんが死んだ。まって、本当に死ぬほどの力込められてるってヤバイんですけど!?結界をすり抜けるほどの力って向けられたら死んじゃうじゃん!?
冷たい汗が頬をつたう。澪達はぶつぶつと呪言を唱えてるかのように呟いている。よく聞くとキリヒメが本当に呪言を唱えていた。
そして復活した不死鳥が驚いてキョロキョロしていたが、突然跡形もなく霧へと変わる。
また死んだ!?今度は洒落にならないって!?霧に変わるほどの呪言って実在したの!?!?
驚きすぎて口が塞がらなくなってしまった。
「……さて、この話は終わりにして次にいきましょう」
「あ、じゃあ私から。レンがあのときミリアさんに飲ませた飲み物何だけどね、調べてみたら神覚の実を絞った飲み物だったの。私達が飲んだことのないやつ」
日葵がそう口にした途端、また空気が変わる。今度は先程とは違い、澪達が纏い始めた空気が具現化していた。
澪がダイヤモンドダスト、ライルが小さな白蒼の嵐、キリヒメが紫色の魔剣九本、日葵が黒い霧、未来が殺傷能力の高そうな毒々しい鉱石、テラが触れたら喰われてしまう黒い塊二十個、フィーラが蒼い炎、マヤが神でも恐れる魔物の魂三つ、レイが時空と重力を歪める小さな龍二体を周囲に具現化している。
ヤバイヤバイヤバイヤバイ。一言一言が澪達をこんなにするなんて怖いよ!具現化してたのが体に吸収されて獣化、霊化し始めてる!どうやって止めればいいのさ!?
ミリアが混乱し始めた時、結界が何者かによって消滅した。ミリアはこんなときにくる者がいるなんてどの自殺志願者だと振り向いた。
「レンさん!?」
ミリアの驚く声に澪達が反応しミリアの向いている方を見る。
「何やってるの?魔力とかがいきなり濃くなったり、不死鳥が二回死んだり変なことが起こったからきてみたけど……」
「レンさん。あのとき私に飲ませてくれた飲み物を皆にだしてあげてください」
レンはすぐに「あれか」と呟き、澪達の目の前にコップに注がれた飲み物をおいた。
それを飲むことによってこの会議がいつもより早く終わった。もうこんな会議にならないようにしてほしいと思うミリアだった。