104話 圧倒的強者達4
前回。
禍々しい剣……呪いとかあるのかな?
澪達の状況を見るために視線を向けてみると、無傷のまま無力化していた。女神は澪達を「お姉様……」とか言っているが男神は何故かはわからないが蹲っていた。
その周囲には様々なものが突き刺さっている。氷剣、嵐槍、聖斧等々明らかに拷問用具らしきものもあるが見なかったことにしよう。
そしてこちらの視線を感じ取った澪達は手を振っている。それをみた女神達は「お姉様達が嬉しそうに手を振る殿方が!?」とドームで見えなくなっているはずの場所を見ている。
なんでこっちが見てることわかるの?千里眼で見てるだけだからあれだけど……一応視線とか遮断する効果つけてるのによく気づいたな。
「なんだなんだ、あそこにいる嬢ちゃん達はレンの嫁さんか?こりゃ全員美少女じゃないか。よく捕まえたな!」
がははは!と笑いながら背中を叩いてくる。
いや自分はなにもしてないです。気づいたらどんどん増えていったんです。
「そうなのですか?それより皆さんの種族が希少種過ぎてよく見つけられましたね。レンさんも明らかにそれ以上の希少種のそれじゃないですか」
「そうそう、まさか黄金覇龍だったとはな。あそこにいる龍神の嬢ちゃんは暗黒覇龍だろ?いやー王と女王が揃う日が来るとはな!俺達はついてるぜ」
そんなことどうでもいいと言うようにレンはどんどん邪悪なオーラが高まっている剣神に目を向けた。
……こんな奴だったっけ?
最初に見た姿とは明らかに違う姿をした剣神が禍々しく変化した剣を振っていた。肌が黒く変化し、目の色も最初に見た青から黒に変わっている。額には悪魔のような角が生えていた。
「ありゃあ邪神かしたな。ああなっちまったら正気に戻るかしないと元には戻れねぇんたがあいつは自分の意思で邪神になったな。助けようのない奴だ」
レンはこのまま放っておくのもダメだと思い、久しぶりに嵐神王太刀を召喚した。
「……あれ、変わってる?」
※
《嵐神覇王太刀》
『神殺し』『時空殺し』『纏白蒼嵐』『嵐創造』『不壊』『神速』『分身』『虎神狩り』を持つ、時空をも切り裂く白蒼の嵐を凝縮した本人が持っていないと近づくもの全てを切り裂くために勝手に動き出す大太刀。所持者が神化したことにより昇格された。
※
「なんかかっこよくなってる。刀身に虎の模様が入ってて……」
今にも動き出しそう。という言葉をぐっと抑えた。鑑定したときに書いてあったのだ。勝手に動き出すと。
「おいおいその刀にはあの邪剣じゃあ勝てないな。というか斬りかかったら逆に邪剣が切れちまう」
口を開いた大聖神がそう言う。念のため邪剣を鑑定したが弱いとレンは思ってしまった。