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異世界に転移した弱気魔法使いは吸血鬼の下僕になるそうです  作者: ジャスミン茶
第一章 雪が降る夜に咲くユリ
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スキルは

「ふーん。それで、そのまま持って来たのか」

俺の手からペンダントを受け取るとクルクル回した。これから、鍛冶屋になるのにそんな扱いででいいのかと内心思った。

「呪い系の物じゃないから、持っていても大丈夫らしいけど」

「まぁ、綺麗だし、金目にならないなら、持っておけばいいんじゃないか」

元気は俺の手にペンダントを返した。

「元気の方からもスキル使って見てくれよ」

元気はイヤイヤと手を振った。

「俺、冒険者の時からそう言うスキルあんまり使って来てないからスキルのレベルが低い。そういうのは、他の奴がやってたし、そのペンダントを見てくれた人が俺より長く商人やってたなら、その人以上に何か分かる訳がない」

「そっか、分かった」

店主は長年やってきたプロの人だし、当たり前だよね。

「スキルか、俺たち、これでいろいろ振り回されたよな。特にお前が」

「そうだね」

沈黙が流れた。当たり前か、スキルで僕達の扱いが違うのだから。


この世界でスキルは様々な種類があり、それぞれ使うと効果が違うのでそれぞれ、攻撃系、防御系、回復系、商売系等に分けられている。そして、レベルが高いほど効果も高く、たまに進化するものもあるらしい。

この世界でスキル持つことは重要なことで、冒険者にとっては必須だ。スキルは産まれながら待つ者もいれば、成長して手に入れることや学ぶことで手に入れることができる。

スキルは誰もが取得可能な物があれば、特別な者もしくは特別な儀式を行ったものにしか手に入らないスキルがある。

そのスキルをクラスメイトはそれぞれ一人ずつ別々の強力な特別なスキルを持っていた。みんな、そのスキルが自分達にあると知ると喜んだ。嬉しく自慢したり、このスキルで何ができるんだろうと話し合っていた。


僕以外は。

僕は特別なスキルを持っていなかった。

それどころ、他のスキルは愚か、簡単なスキルさえ取得出来なかった。頑張って、勉強したり鍛錬したのに。取得出来なかった。医者や魔術師に診てもらっても、体にはなんとも無く、自身の素質のせいではないかと言われた。

友達やクラスメイトからは励ましを受けたが、元気以外の友達にはどこか憐れみの目線を感じ、クラスメイトから憐れみの他に蔑みを感じた。滞在していた城の人からも他のクラスメイトと同じ感じを受けた。城の人の立ち話を聞いた時、僕を使えない、何もない人間だと陰で言われてるのを知った。

その時、ああ、僕はここでも主人公になれない脇役だと分かった。

主人公は後ろ向きです。

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