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異世界に転移した弱気魔法使いは吸血鬼の下僕になるそうです  作者: ジャスミン茶
第二章 水の使者は樹木の傷を背負う
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討伐二回目 彼女と一緒

 昨日と同じ時間、昨日と同じ場所、昨日と同じ装備、ほとんどが同じであったが二点だけ大きな違いがある。一つは昨日より人数が多くなりさらに騒がしくなっていた。二つ目は。

「ざわざわうるさいの。やはり、来るべきではなかったか……めんどくさくなってきた……」

 と言っている彼女の存在だった。深くフードを被ったユキユリが人の集まりから離れた場所で冒険者達の輪を見ていた。

「最後のが本音ですよね」

 とユキユリの隣にいる僕が言うと彼女はあからさまに嫌な顔をして、僕に見せるように右手を上げて左手で右手の甲をつねた。

 その瞬間、右手の甲に痛みが、強くつねられた感覚が走った。

「痛い、痛いい、痛いです!」

「何か、そのどや顔がむかついたからの。お主はどや顔しているより痛がっている顔の方がいくらかマシじゃ」


 酷い! 横暴だ! と叫びそうになったの喉で押しとどめた。よくやった僕。

 まぁ、それが彼女なんだけど……すいません。余計な事を考えていました。だから、他の人に見えない所で彼女の影よ。どうか、殴る準備しないで下さい! お願いします!



「それにしても、この港に着いた時に我は影で眠っていたから分からなかったが港全体にあの匂いが充満しておる。それに、相手をしてにおいが付いた人間が集まった事でさらに濃くなった……本当にめんどくさいのぉ」

 それでも、ここに彼女がいる理由は……。

「あの……本当にそのモンスターと吸血鬼と結びつくんですか? 僕は全く想像できないんですけど」

 そう、謎のモンスターと吸血鬼は関わっていると彼女は話してくれた。

「ああ、我の予想が当たれば、直接的ではないが点と点が結ばれて線となるように我ら、吸血鬼と関連するのじゃ」

 ユキユリは夜の空を仰いで言葉を紡ぐ。

「我は記憶無くしてから同胞の気配も存在も感じずにいる。少しでも同胞の情報が欲しい。ゆえに、何が何でも点と点を調べるぞ」

 と彼女は確かな口調で下僕を見て、命令した。


 僕はゆっくりを頭を下げて了解した。


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