二回目の指折りの予感
「えっ」
「えっ、だから、この子の情報が読み取れないのって、サクヤのスキルで隠し……あっ、これ自覚してないし分かってない顔だ。じゃあ、一から説明するしかないか」
ジャンさんはまず、僕と最初に会った時の事を教えてくれた。
初めて会った時、名前や職業、体力、異世界から来た事をスキルで分かったが僕がスキル保持者では無い事も驚いたがそれよりも驚いた事は他の人よりも情報が少ない事だと説明してくれた。
「少ないですか?」
「他の人よりも明らかに少なかった。例えば、どんな魔法を持っているか体力や魔力がどれくらいか。女子は喜ぶが男子のを知っても喜びたくないスリーサイズとか。他にもいろいろと。それがサクヤには無かったんだよ。いや、待て! その蛆虫を見るような眼は」
うわっ、スリーサイズまで知るのかこの変態は。
「あの、その眼はいったん止めて、心が傷つく」
傷つけばいいのにと思ったが話、進まないので気持ちを切り替えて、それでと続きを催促した。声は少し低くなったが。
「うわっ、怖いが話を進めるぞ。とにかく、その時は不審に思って声かけて、今に至るわけ。友情が生まれたわけだ」
その友情も変態すぎて消したくなっている事は今は黙っておこう。
「まぁ、それよりも驚いたのが彼女の事だ」
ジャンさんは彼女を指さした。彼女は黙って、僕達の会話を聞いていたが自分に話題を振られて、驚いたのかジャンさんに近づく。
いや、これは違う。これは。
「我を指さすとはいい度胸をしておるな。虫がっ!」
とジャンさんの指を掴んで曲がらない方向に曲げた。
「痛い痛い!! 痛い!! おれ、折れる!」
「折ってやろうか。言葉にした通りに」
「すいません! 調子に乗りました! 本当にすいません!!」
あー、指さされた事にイラっとしたんだろうな。