死刑宣告
「証? 鎖? 痛みを受ける?」
単語を言葉を音にするが頭が追い付かない。
「ああ、痛みを受けるのじゃ。このようにな」
彼女は僕の腕を離し、パチンと指を鳴らすと彼女の影が彼女の腕を勢い良く叩いた。
だけど、
「っあ」
なぜか、痛みが腕に走った。勢いよく叩かれる痛みが。
そして、痛みがある場所は彼女の腕が叩かれた場所と同じ。だけど、彼女はあんなに勢い良く叩かれたのに彼女は全く痛そうにしていない。彼女の叩かれた腕の肌は赤くなく、僕の腕には彼女の叩かれた場所と同じ場所に赤くなっていた。まるで、彼女の痛みを僕が受けたように。
「痛みを受けるって、そういうことですか」
痛みを覚える腕を抑えながら自分に言い聞かせるように呟く。
今ので、はっきりした。
僕は彼女の痛みを引き受ける下僕となった。
その証がこの鎖、腕輪なんだ。
「ふむ、影が動くようになったか。こやつが放ったあの輪の効果が切れたのか?」
彼女の独り言を僕は腕輪を見る事に夢中で聞こえなかった。
だけど、彼女が手を合わせ、音を出したことで意識は彼女の元に戻った。
「まぁ、それよりも今はお主じゃ」
彼女が再び、僕の腕を掴んだ。さっきよりも強く。
「お主が我の下僕である事はこの世のことわり、絶対となった。もう逃れる事は出来ない」
彼女の笑みはとっても綺麗なのに。言っていることは悪魔との契約のようだ。
「ちなみにお主が少しでも我を裏切ろうと思ったら」
さらに彼女は笑みを深めた。
背筋に冷や汗が体に緊張が走る。
「その腕輪がお主を狩り、殺し、亡き者にする」
それは、死刑宣告を告げるように言った。