どのような
2月26日に少し追加しました。
何か強烈な痛みを感じながら目を開くと彼女がいた。
「一発で起きたか。もう一発必要かと思ったが。その心配もいらんようじゃの」
頭が、体がだるい。彼女の声が遠くに聞こえる。
考えがまとまらない脳でやっと出て来た言葉を口に出そうとしたが、声が出ない。
精一杯の力で出したのは赤い液体、血だった。でも、口の中は血の味がしない。
ああ、毒が回ったんだ。あの薬を飲んだから早く毒の効果が出ると思ったけど、予想よりきつい。もう少しで僕は死ぬ。体の先っぽがつま先がもう死の川に入っている感じだ。瞼がとても重く、目を閉じれば、二度と光を映す事が無い。
ああ、これが、死ぬって感じなんだ。
僕は死を受け入れるしかないんだ。
人を殺したから。友を失ってしまったから。生きる目標が無いから僕は生にすがれない。
死ぬ時って、意外と自身は静かなんだ。それとも、それは僕には何もないからなのかな。
何かあれば、もう少し体に心に音があるのかな……。
「おい、我の前で自己完結しようとするとはいい度胸じゃの」
死ぬ前の一瞬の思考へ身を投じる中、それを止めた綺麗な白銀の髪と紅い瞳で僕を見る彼女だった。
ああ、やっぱり彼女の髪や瞳は綺麗だな。まるで、白銀の雪が降る夜の紅い月のようだ。
「だが、それは今はどうでもよい。なぁ、お主はどのような死を望む?」
彼女はにっこりと笑い言葉を奏でる。
「我がお主の望む死を与えよう」