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復讐の終わりに
2月26日に追加しました。
「これでお主は人殺しじゃ」
その声に振り返ると彼女は意地悪そう笑っていた。
「そうですね」
僕は頷いた。
「ほう、お主は否定しないどころか肯定するのじゃな」
彼女に笑みを見せたいのになぜか力が入らなくて、微笑しか出来なかった。
「否定したら、元気が死んだ事も否定する事になりますし、どっちにしたって、僕はもうすぐ、死にま‥…す……よ」
ひどい目眩が僕を襲って、目を開けられなくて、力が入らないくて、耳に人が倒れる音が遠くに聞こえた。感覚が薄れていく。指が、腕が、足が動かせない。そう言えば、少し前からにおいが無い。
ああ、もう僕は死ぬんだ。