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異世界に転移した弱気魔法使いは吸血鬼の下僕になるそうです  作者: ジャスミン茶
第一章 雪が降る夜に咲くユリ
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自分のスキル

 スキル発動はどんな感じなのかクラスメイトからもこの世界の人からも聞いた。

 皆揃って同じ事を言っていた。

『頭の中で文字が浮かんで聞こえる。そして、実感する』とそれがどんなものか僕には分からなかった。

 だって、無いのだから。

 どんなに念じても考えてもそれが起こる事は無かった。





 だけど、今、僕は感じた。分かった。

 頭に流れた文字は僕から出た光は≪スキル≫だと。

 他人と自分の大きな差が、自分が使えない存在で必要のない存在だと証している物が。

 僕が心から欲していた物が。

 今、僕は発動したと。



 光の輪に当たった化け物が

 うがぁぃあぉあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 地の底から出したような叫びが化け物から出ると。

 化け物は再び、倒れた。

 だけど、化け物は固まったように動くことなく、目だけは僕を見ていた。

 いや、恐れているように見えた。

 

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