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げ・ぼ・く
「我はここでお主の阿呆であられもない姿を見ておる」
僕が化け物の前に行く時、彼女は遠くの化け物を見ながら呟いた。
「ただ、あまりにもお主がみっともなかったら、近くに寄るかもしれないのぉ」
彼女は僕の方を向いて、意地悪い、どこか笑みを含めて。
「その時は我は何もしないから」
彼女は砂糖にたっぷりとつけたような甘い声、可愛い声で。
「我を必ず守るのじゃ。我の盾になる。それがげ・ぼ・くの役割じゃ」
指を口に添えて、そう命令した。
その時、彼女があまりにもエロく見えて、僕は少し血流が早く、体温が上昇した気がした。