戦い③
「あっ、すごいですね」
赤く、赤黒い液体で染まっている顔の窪みから細胞、組織が重なり早いスピードで目が出来上がっていく。
「もう、再生するんですね」
それは生命の再生という事で感動するのだろうけど、僕には、
気持ち悪いしか思わない。
クラスメイトが〈超再生〉を持っていた時と変わらない感想だった。
その想いが悪かった。
「クソガァァァァァァァア!!」
不意に男が飛び上がって、僕に拳を、硬く、大きく、雷を纏わせた拳が僕を襲った。
クラスメイトの事を思い出していて、僕は瞬時に対応できなかった。
そして、
「くっ! ガハッッ」
殴られた衝撃で壁にぶつかった。雷の威力はナイフの魔法石で相殺できたが殴られた痛みと壁の衝撃で身体中が痛い。
「殺す殺す殺す殺す殺す殺すころすころすころすころすころすころす!!」
男は獣ように、息を切らしながら、同じ単語を呟き、僕を睨みつけていた。
「火事場の馬鹿力ですか? それとも、最後に力任せですか? どっちにしたって、この部屋の空気を吸っている時点で毒を体に取り込んでいるんですよ。僕もお前も一日も経たない内に死にますよ」
人を殺すんだ。
人を殺した僕は生きてはいけない。自分も死ぬんだ。
だったら、あいつを苦しませて、苦しませて、くるしませて、クルシマセテヤル。
ボクトイッショニミチヅレニジゴクニオトシテヤル。