最後に映ったのは
残酷な表現があると思います。
シュン! ザシュ! グチャ! ビチャ!
「あぁぁぁあぁあ!!」
ナイフを動かすたびに血が、舞う。
ナイフに着いた鮮血がナイフ振るうたびに周りに飛び散る。
男は断末魔を止めない。声で喉が裂けるように、声が枯れるように叫び続ける。喉元を斬られても、潰されても瞬時に傷が塞がる。
それでも、男は叫び続ける。
「痛いですか?」
咲夜は動けない男にまたがり、両手のナイフで力一杯、腕を振り、頭に、喉に、鼻に、胸に、足に、手に、心臓に、一瞬も緩む事なくナイフを振り刺した。
咲夜と男の周、りは血で赤く、紅く、赤黒く染まっていた。
それでも、咲夜は気に止まる事無く、ナイフを振り下ろした。
男の体を、肉体を、肉を切り裂き、刻んだ。
「こ、の、クソガァァァァァァァ!」
男は顔を苦痛に染めながら、咲夜の服を掴もうとしたが、咲夜はナイフをその手を地面に刺し、縫い止める男の両目に刺していたナイフに手をかけ、そして、力任せに一気に引き抜いた。
ブチャ!
「ギャャァァァァァァァァア! !」
その二つの音と共に空に二つの丸い物が飛び、そして、
グチャ!!
落下、落ちた。
その丸い物が映したのは痛みで苦しむ男と薄く笑っている、恍惚な笑みを浮かべる咲夜の姿だった。