悪魔はここ
「ねぇ、キツイですか? 苦しいですか? 体動きにくいですか?」
こいつは俺にヘラヘラと笑いかけてくる。それが、さらに俺をムカつかせる。
「ウルセェ! 空気にも毒が充満してるなら、お前だって、効いているじゃないか!」
俺の言葉にこいつはさらに笑みを深くした。
「それが、どうしたんって言うんですか?」
声色も強さを感じられないその言葉に俺は震えが来た。
「苦しめたい相手が苦しんでいる。それで、僕はいいんです。例え、僕が苦しくてもそれでチャラになります」
そう言うとあいつは腕を振った。
ブチャ!
その音と共に視覚を失い、痛みが訪れた。
「ぎゃあああ!!!」
「そのナイフは特殊で斬る用でなく、挿し込むナイフで、魔法石で刺した瞬間、火を纏う仕組みな上に引っ張ると目玉ごと抜けるようになっているんですよ。どうですか、両方の目に刺さっていて、ナイフを巻き込みながら、傷が塞がるのは、目が焼ける痛みと回復しても傷深く、痛くなるのはどうなんですか?」
淡々と言葉を紡いだあいつに俺は痛みと共に恐怖を感じた。
その時、俺は気がついた。
俺は人間を相手にしたんじゃない。
悪魔を相手にしていると。