毒の生成時に
「毒では、一回、苦しんで死ぬだけじゃ。お主はもっとあの者を苦しめたいと思わんのか」
僕があいつを苦しめさせる毒を作っている時、彼女がベットに寝そべりながら、お菓子を口にほうばりながら、僕に訊ねた。彼女はなんとなく、訊ねた事だとは一瞬で分かった。
「確かにそうですけど、僕は弱いので剣や魔法であいつを苦しめさせる事も殺す事も出来ないんですよ。だからこそ、僕でも使える毒が最適なんですよ」
僕は彼女に笑みを作り、笑った。
彼女はそうかと呟くと僕に興味を無くし、お菓子に視線を注いで、口に頬張る。
ベットに寝転んでお菓子を食べているのに菓子クズは一切ベットの上に無かった。彼女は上品に綺麗に食べている。
寝ている時は騒音爆烈いびき魔獣なの……ぐはっ。
「お主、今、何かおかしな事をかんがえていたじゃろう。だから。我の影に攻撃されるのだ」
僕はギリギリ毒が入った試験管を落とさずに膝から崩れ落ちた。
彼女の影が僕の腹を殴ったのだ。
僕を殴った後の影がシュッ、シュッ、とシャドーボクシングをしている。
やっぱり、彼女の前で変な事考えないようにする。このままだったら、あいつと会う前に僕が殺される。
僕は痛む腹を抑えながら、言い忘れていた言葉を彼女に言った。
「それに、僕はあいつを苦しめさせたいし苦しんでいる姿を見たいので、そう簡単に楽にさせませんよ」
これは元気達の墓参りに行く前日の出来事