表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転移した弱気魔法使いは吸血鬼の下僕になるそうです  作者: ジャスミン茶
第一章 雪が降る夜に咲くユリ
143/216

毒は

 ナイフを振るごとに、あいつの体を斬るごとに、あいつに投げるごとに、あいつの剣を、拳を避けるごとに僕の脈は、呼吸は、速くなる。だんだんと体が重くなる。


 だけど、それはあいつの方が確実に僕よりひどい。

 だって、

「ねぇ、さっきから呼吸が荒くなってるし動きが鈍ってきて、傷が増えていますね」

 僕はあいつの剣をナイフで受け止めて訊ねた。

「はぁはぁはぁ、はぁっ。うる……さあ……い!」

 あいつが呼吸を荒くして、受け止めたナイフを振り払って、僕に斬りかかる。

 先ほどより速さが落ちる剣で、

 その剣を避けて、僕はネタ晴らしをする。


「あなたのその〈超再生〉のはどんな傷もすぐに消えますが痛みや疲れは消えない。それはあなたも知っていますよね。だけど、もう一つ、あるんですよ」

 僕は距離を取り言葉を紡ぐ、あいつは体を震わせて荒い呼吸を繰り返すだけで僕を襲おうとしてこない。いや、できないのではないだろうか。

「それは、毒ですよ。毒は消えないんですよ。どんな傷が治っても体内に毒は残るんですよ」

 あいつが顔を強張らせる。


「それでは、僕の短剣に、ナイフに、たっぷり毒を染み込ませたナイフで斬られて、刺された上に地面に刺したナイフの毒が魔法石の魔法で、空気となった毒が充満するこの室内で大きな動きを繰り返したあんたはどうなるんでしょうね」

 僕は質問するように、分からせるように言った。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ