毒は自分にとって
「そうじゃ、お主は毎朝何を飲んでいるのだ」
「ああ、あれは僕特製の毒ですよ」
僕がそう答えると彼女は怪訝な顔した。
「なんとなく、お主は被虐体質なのかと思ってあったが、自分で毒を飲むとは、お主そこまでいくと変態じゃないか」
彼女の目が可哀想な人を見る目になっている
「違います! 違いますよ! 最初は僕はただちゃんと効果があるのか気になって、飲んでいただけです」
なんとなく、効果があるのか気になって、毎回飲んでは動かなくなったら苦しんだ。本当にあの頃は何で毎回飲むんだろうと自分自身で悲しくなっていた。あの頃は。
「その言い方じゃと、今はどんな理由で飲んでいるのじゃ」
彼女は自分の髪いじりながら、訊ねた。さほど興味はなさそうだが、僕は答える。
「今は、自分は少しは毒に対して、抗体、効かない体になっていて、それがもっと強くなるように。多少の毒でも効かないように飲んでいるんです。なんかおかしいですけど」
僕はハハッと乾いた笑い浮かべた。
「それだけじゃ、なかろう」
彼女はいじっていた髪から目線を上げて、僕の目と合わせた。
彼女にはなんでも見透かされている気がする。
「そうですね。僕は作るのも見るのも調べるの好きなんですよ。毒について」
彼女の目と合わせながら僕は彼女に誰にも言った事が無い自分の事を話した。
この会話は野盗を古くなった本をゴミ捨て場に捨てる時の本の縛り方で野盗を重ねて縛って、放置した後の、帰りの間の会話。