ペンダントって、うるさいですよ
扉の奥は続いていたが、暗闇でもはっきり見える目薬持ってるの暗くて見えない。
そして、その開いた扉の前で僕は立ち尽くした。
どいうことなのだろうか。
どうして、僕がペンダントを持ったら、扉が開いたのだろうか。そして、さっきまで光っていたペンダントは鳴りを潜め、光らなくなった。
えっ、これって進めって意味なのだろうか。だけど、絶対に罠だよね。
拾ったペンダントが鍵で扉の奥には宝箱あった。やったぜ。アッハッハ。
とかそんなの無い。絶対に無い。そんな、小学生や中二病が考える展開はありえない。
現実はそんな甘くない。進んだら、巨大な昆虫モンスターの大群に出会って、餌食エンドや串刺しエンドとかだよ。
うわぁ、想像したら、良い死に方が一個も無い。せめて、さっきの骸骨の方がいい気がする。
扉の奥に進むのはやめよう。うん、戻ろう。戻って、別の方法で崖に登るか骸骨になろう。そして、なにも見なかったことにしよう。
僕は頷いて、扉に背を向けた。
はずだったのだが。
二時間が経ち、僕はまた、扉の前に立っていた。
僕は戻りたくなかったのに、ペンダントがうるさくて。
三十分前、登れそうな崖があり、登ろうとした時、
ギャャーーーイイ!!
ギャャーーーイイ!!
とサイレント並みにペンダントが光りながらうるさく鳴いたのだ。
本当に鳴いたのだ。生物のように。
最初はモンスターかなと思っていたら、カバンの中のペンダントだった。どこから鳴いているのか分からないが、鳴いた。
それが、ずっと鳴り止まなく、その音から逃げるように歩いてたら、扉の前に戻っていて、鳴り止んだ。そして、扉から離れようとするとまた、鳴り響く。
もう、これ行けってことだよね。行かなきゃ、また、鳴り響くよね。脳に直接、直撃する音が、最悪だ。もう、聞きたくない。
僕は、ため息を一つしてから、扉の中へ足を踏み出した。
僕の体はすぐに暗闇に溶け込んだ。