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異世界に転移した弱気魔法使いは吸血鬼の下僕になるそうです  作者: ジャスミン茶
第一章 雪が降る夜に咲くユリ
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ペンダントって、うるさいですよ

扉の奥は続いていたが、暗闇でもはっきり見える目薬持ってるの暗くて見えない。


そして、その開いた扉の前で僕は立ち尽くした。


どいうことなのだろうか。

どうして、僕がペンダントを持ったら、扉が開いたのだろうか。そして、さっきまで光っていたペンダントは鳴りを潜め、光らなくなった。


えっ、これって進めって意味なのだろうか。だけど、絶対に罠だよね。

拾ったペンダントが鍵で扉の奥には宝箱あった。やったぜ。アッハッハ。


とかそんなの無い。絶対に無い。そんな、小学生や中二病が考える展開はありえない。

現実はそんな甘くない。進んだら、巨大な昆虫モンスターの大群に出会って、餌食エンドや串刺しエンドとかだよ。

うわぁ、想像したら、良い死に方が一個も無い。せめて、さっきの骸骨の方がいい気がする。

扉の奥に進むのはやめよう。うん、戻ろう。戻って、別の方法で崖に登るか骸骨になろう。そして、なにも見なかったことにしよう。


僕は頷いて、扉に背を向けた。


はずだったのだが。


二時間が経ち、僕はまた、扉の前に立っていた。


僕は戻りたくなかったのに、ペンダントがうるさくて。


三十分前、登れそうな崖があり、登ろうとした時、

ギャャーーーイイ!!

ギャャーーーイイ!!

とサイレント並みにペンダントが光りながらうるさく鳴いたのだ。

本当に鳴いたのだ。生物のように。

最初はモンスターかなと思っていたら、カバンの中のペンダントだった。どこから鳴いているのか分からないが、鳴いた。

それが、ずっと鳴り止まなく、その音から逃げるように歩いてたら、扉の前に戻っていて、鳴り止んだ。そして、扉から離れようとするとまた、鳴り響く。

もう、これ行けってことだよね。行かなきゃ、また、鳴り響くよね。脳に直接、直撃する音が、最悪だ。もう、聞きたくない。


僕は、ため息を一つしてから、扉の中へ足を踏み出した。


僕の体はすぐに暗闇に溶け込んだ。




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