一方そのころ、ジャンさんは
キィィーーーン!!
持っていた剣を飛ばされたじろぐ男に俺は間隔入れずに頭に回し蹴りを与える。
そして、ドサッと倒れた。
俺は剣を鞘に戻すと俺の後ろで怯えている可愛い女の子らに振り返った。
「大丈夫かい? 助けに遅れてごめん。でも、これ以上、君達に傷を付けさせない。俺が君達を守るから安心して」
俺の言葉を聞いて、一人の女の子が嗚咽をこぼして泣きだした。他の子も泣かないように耐えているが今にも零れ落ちそうだ」
ああ、この子達を泣かせた奴らは
ああ、館にいたあんな可愛い子、女子を殺した奴らは
ああ、女子達の命を奪った奴らは
シネバイイノニ
俺は安心させるように彼女達に笑みを作り、優しく声をかける。
「館の裏の庭を抜けた先の森で他にも助けた子がそこにいるんだ。館に生きて残っている君達だけだった。だから、仲間達のいる安全な森まで一緒に行こう」
俺は彼女達に手を伸ばすと泣きだした子が俺の手をゆっくりと握った。
彼女達が互いに助かったと安堵して話している隙に俺は彼女達から見えない様に男にサクヤからもらった透明な薬の入った注射器を刺して、男に薬を注入する。
この薬はサクヤが作った睡眠薬で、朝まで起きないらしい。
そして、彼女達は知らないようだが館が少しずつ火の手が回っている。 館にいた生きている使用人らは全員助け出した。
まぁ、俺が気絶、眠らせた男達はそのままだし、そもそも、火を着けたのは男達自身だ。眠ったままに炎に飲み込まれてもしょうがない。女子達を殺したんだんだから。もっと、苦しむべきだ。
俺は男らが死ぬことに全くためらいが無い。
ここから遠い、表の玄関の方が少し騒がしい。あの少女が何かしたんだろう。
俺もそろそろ彼女達と一緒に館を出ようと男を背にした時、
『はい、これを刺してください。ジャンさんならこれぐらいならサクサクとやれますよね。だって』
ふと、注射器を渡された時のサクヤの言葉を思い出した。
「チっ、変な事を思い出したなぁ」
その言葉に彼女達がビクッとした。
俺は再び、安心させるように笑みを作り、
「いや、何でもないよ。さぁ、行こうか」
僕は先ほど、手を繋いだ女の子の手を引っ張って、歩き出す。
『ジャンさんは殺すことに対して、何とも思わないですし殺したことありますよね?』