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一方、そのころ、彼女は
咲夜が殺意を持って足を踏み出した時、別の所、屋敷の外では
「ん、後ろから虫が追いかけてきたのか。面倒じゃな」
その呟きが紡がれてすぐに
「うぉぉーーーーーーーーーー!! っ、ぎゃ、がはっ」
後を追いかけて、一番最初に追いついた男が雄たけびと共に剣を振り下ろしたが簡単に影によって、剣は振りはわれは、叩きこまれ、地面に埋もれた。
「ふむ、この程度の者が我を襲ってくるとは、身の程知らずの者が増えた時が来たと言うことか、難儀な物よ。ん? 増えた時が来たとは?」
自分の口から出た言葉に首をかしげていたが
「まぁ、今はいいか。それより、たくさん食えるのだからな」
そう言って、自分に追いついてきた後ろにいる男達に振り向いた。
その時の顔は、どこか、優艶でありながら残酷な微笑みだった。
そして、目は、瞳は、完全な強者、捕食者の目だった。