知っていた?
「でも、他の魔法使いと比べて、全然扱い切れてませんけど」
僕が少し笑って言うと目の鋭い男が
「いやいや、驚きだよ。あんたが魔法使いだってこともコトノハ魔法を使うことも」
そう言って、男は手を顔の前でイヤイヤと振った。
その瞬間、黒ずくめの男達が僕に襲い掛かった。
男の仕草は強襲の合図のようだ。
男達の先頭に立っていた人、四、五人が剣で僕に斬りかかってくる。
でも、うん、これなら大丈夫だ。
【風よ 我の一部となれ 風よ 火、いや、炎と共に刃に纏え】
言い終わると風が、緑の小さな光が僕の中に入ってきて。
ヒュゥン キィィィン
「いきなり、切りかからないで下さいよ」
僕は手から一瞬で剣を弾き飛ばされた男達に、痛みと一瞬で僕から離れた事に、体に切り傷と火傷の痛みにのたうち回りながら目を丸くさせる男達に言う。
僕は斬りかかってきた刃を
全て避けて
僕の持っている短剣、剣で男達の剣を飛ばした。
そして、短剣に纏った炎と風が熱風で男達も飛ばす。
いつもの僕だったら、一瞬でそんなことはできない。
四、五人相手にそんな事は出来ない。
僕の方が斬られて、死んでいた。
だけど、今は、
「知っていますか? コトノハ魔法は身体強化もできるんですよ?」
その証拠に、今、僕は、
使っているのだから。