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町長と弟の関係
こ、こいつは今、何て言った。
バルトが、私の弟が、私の暗殺計画を立てただと。ああ、何てバカげている。
バルトが私を殺すはずがない。
そんな訳あるわけない。
なぜなら、バルトと私は兄弟だ。母は違うが私たちは互いに支えて町を守り、栄えさせてきた。それは、私と弟がいたからだ。互い無しで町を、家を守れるはずがない。私達、兄弟の間には固い絆がある。
そう、私は思っていた。
「ああ、クソ兄に俺が従順で兄思いの弟と思ったまま、死んでほしかったけど、あんたのせいでそれも台無しだよ。どうすんだよ」
弟は、どこかイラついた声で聞いたことのない口調で別人のように冷たくはっきりと言った。
私は今、弟とのつながりが、絆が失ったと思った。
いや、ずっと前から、もう、失われていた。