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異世界に転移した弱気魔法使いは吸血鬼の下僕になるそうです  作者: ジャスミン茶
第一章 雪が降る夜に咲くユリ
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嘘は言っていなかったけども

「そうですか? 僕は誰よりも弱いし使えないですし、いらない人間ですよ」

サクヤは首をさっきまでとは違ってどこか諦めた表情で答える。

どうしてか、サクヤはなぜか自分に自信が全く無い。

「いや、俺はお前が怖いよ」

「はいはい。ジャンさんの冗談は置いといて、さっきの野盗の話どう思いますか?」

サクヤの声に鋭さと真剣味が増した。

「そうだな。俺はあの野盗が嘘を言っている風には見えなかった」

嘘だと気づかれたら、すぐにサクヤが殺しそうだったからな。

「僕も嘘は言っていないと思います」

「それじゃあ、あの野盗が言っていた通りって事か?」

「そうですねぇ」

サクヤはは気のない返事をした。


『ああ、その男は知っているよ。そいつは俺達に仕事を持ちかけてきたんだ。町長さんの弟さんを殺すって仕事をな。なんか、よく知らねえが、その男が言うには町長さんに取引で、ある事を教えてもらう代わりに弟さんを殺す事を頼まれたって、それには、盗賊に襲われた風にした方がいいから、俺達にも手伝ってもらおうと仕事を持ちかけたらしい。俺達だけじゃねぇ。ここら辺のゴロツキ全員だ。俺達も捕まっていなかったら、行けたのによぉ。報酬がいいんだよ。チクショ』

と野盗の頭は教えてくれたが。


「ここで、あれを素直に受け取ったら、ただのバカだな」

「僕もそう思います。野盗が言った事は本当ですが、この話には」

「ああ、まだ何かある。少し、俺の方で調べてみるよ。いろいろと」

「それじゃあ、お願いします」

サクヤは頷いて、軽く頭を下げた。俺も頷いた。


「まぁ、どっちにしたって、僕はあいつを三日後に殺しますが。誰が殺されても」

サクヤのその言葉はどこまで冷たかった。


『その町長さんの弟さんを殺すのが、三日後の夜、この町の生誕祭にだ』










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