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異世界に転移した弱気魔法使いは吸血鬼の下僕になるそうです  作者: ジャスミン茶
第一章 雪が降る夜に咲くユリ
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最悪なのはどっち

「はあ、なんで僕がやるんだろう。絶対怪我おうのに、なんで」

僕はダンジョンに向う道の草っ原を歩きながら呟いた。その言葉は夜風に乗って消える。足取りはだんだんと重くなるが比例して、ダンジョンにもだんだんと近づく。

「しかも、夜にしか現れないって、最悪だよ」

夜になるとモンスターはより攻撃的になる。そのため、初心者も慣れている冒険者達でさえ、夜はあまりモンスター退治やダンジョンに入らない。僕も夜はモンスターが少ない森で薬草取りするぐらいだ。

それなのに、どうして弱い僕が行くことになるんだろう。こういうのは、もっと強くて慣れている人が行くべきではないだろうか。なんで、僕程度が。

「はぁ、憂鬱だよ」

ため息をついていると後ろから物音がした。


キィィーン。


僕はとっさに、短剣を抜いた。


短剣とモンスターの爪がぶつかる音が原っぱに響く。


爪を持つモンスターはクルリと空中に舞い、地面に着地すると僕に威嚇する。


モンスターは僕を殺す気満々だ。

僕はモンスターに振り返り、見すえた。

相手は鋭い爪を持つ。

前はよくその爪で怪我を負った。


だから、相手の行動原理はよく分かる。

僕は足を踏み切り、短剣をモンスターに

振り下ろした。


モンスターは横に避ける。

だけど、横には血飛沫も飛んだ。


振り下ろすふりした短剣は横に線を描いた。

モンスターの喉を掻き切った短剣の刃には血が滴っている。


モンスターは僕の目を見て、倒れた。


「ごめんなさい」


僕の言葉は夜風に攫われた。



「もう、なんで、こんなに早く着いちゃうのかな。泣きそう」

ダンジョンの入り口で僕はため息を吐く、これで、今日何度目のため息だろう。嫌になる。

「はぁ、行くか」

僕は短剣に付いている血を払い。

ダンジョンの中に入っていった。

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