慌ててます。混乱してます。
「そろそろ、いい加減起きぬか!」
痛みより腹の衝撃が体全体に響いた。
「え、あっ、えっ、何ですか?」
目を覚ますと僕は部屋のベッドに横になっていた。そして、そんな僕をベッドの隣で見下ろす彼女がいた。
「いつまで、横になっておる。もう、日が差してきたぞ」
彼女の髪が黒髪に瞳は深い青色に染まっていた。窓を見ると、さっきの暗闇が嘘のように太陽が明るく照らしていた。
んっ、さっきの? 何で僕寝ているんだろう? なんか、すごい事が起こったような?
「とりあえず、ここに戻ってきたが、お主が気絶したせいで我がここまで運んでこなくてはならなかったのだぞ」
「あっ、すいません。迷惑かけてすいません」
「全く、接吻の一つで気絶するとは情けないの」
んっ、今なんて?
「えっ、すいませんがもう一回今の言ってください」
「だから、接吻のに一つで」
あっ、そうだ昨日の夜に僕は彼女と
「アァアーーーー!」
「うるさい。叫ぶな」
彼女の影に頭を殴られたが僕はそれどころではなかった。
えっ、えっ、確かに、僕は彼女にされたけど、えっ、えっ、嘘、あっでも、感触があった。えっ、
僕はそっと、唇を触れた。そうするとその時の近く彼女の匂いや触れた時の感触と温度、柔らかさを鮮明に思い出した。
僕は固まった。ゆっくり顔が、体が赤くなるのを感じて、
「ワァーーーーー! !」
叫んだ。
そして、ベッドから転げ落ちるように彼女から離れて、隅に逃げた。
えっ、えっ、僕は彼女とキ、キ、キキスを、ヤバイ、ヤバイ、今、僕のキャパシティが超えた。えっ、どうしよう? 本当にどうすればいいんだ。とりあえず、謝ろう。僕からしたのではないけど謝ろう。
「あっ、あっ、す、すいません」
僕は隅の壁に支えながら、彼女を直視出来ずに足元に目線をを上げる。
此奴、我と目を合わせようとしないばかりか足元に目線を合わせいる。なんじゃ、あれは、どれだけ動転しておる。此奴の亡くなった友人から女子と良い関係を持つどころか、付き合う事も手を繋いだ事も無いとは聞いていたがここまでとはな。顔はまあまあいいのだから、好かれそうなのだが、まぁ、軟派より何倍も良いが。流石にこの慌てようはまさに
「お主は恋に初心な女子か。いい加減にせい。あれは女子がやるから可愛いんじゃ。男がやっていたら、気持ち悪いだけじゃ」
彼女の言葉は僕の心にクリンヒットした。
本当にクリンヒットしたかのように後ろに傾いたら、僕の頭は隅の壁に当たった。
痛い。心も体も痛い。