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異世界に転移した弱気魔法使いは吸血鬼の下僕になるそうです  作者: ジャスミン茶
第一章 雪が降る夜に咲くユリ
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プロローグ

 僕はいつだって、脇役だ。悪役にも正義のヒーローにもなれない。主役になれない。どんなに願ってもなれない。アニメの人物みたいに誰かのために、自分のために動くことができない。


 それは、異世界に来てもそうだった。僕は変わらなかった。僕には何もなかった。だから、ただ時間が過ぎていく、これからもそうだと思っていた。だけど、彼女に会ってから。

「お主、今から我の(しもべ)になれ」

 そう自分に偉そうに言う彼女に言われた瞬間、僕は変わり始めた。世界が変わった。

 


 この話は情けない僕と血を吸う彼女と終焉のお話。

 

 

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