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1.私はお盆の精霊ではありません

現れたのはミニスカサンタだった。ベタ過ぎるし時期外れ。いろいろ突っ込みたい。が、惜しいかな。突っ込む体力が無い。布団から一歩も動けぬ。関西人ではないので突っ込みの義務はないのだが。友人のSF作家に仕込まれていたウケれば正義の心がうずく。


「何が仕事一筋ですか」と、逆に突っ込まれた。「SF大会やコミケに行ったり。世界中旅行して回ったり。十分充実した人生だったと思うのですが」。「ま、家庭を顧みない性格で恋人に逃げられた点だけはあってますが」


そうなのだが。「仕事一筋」も、まったくの嘘ではない、人脈と運のおかげで、オタク産業や旅行業を含めた趣味関係で食べていけたので。趣味イコール仕事だっただけである。他人から見たら趣味に生きた人生だったという点について否定はしないが。


それはさておき。このまま突っ込み合戦をしていては話が進まぬ。物語でいえば、プロローグの最中に主人公が老衰で死んでしまって打ち切りエンドである。口はかろうじて開けるので。モガモガしつつ、会話を試みる。


「この展開は、過去を見に行くクリスマスキャロルか、それとも異世界転移のパターンの気がするのだが」。


「その認識であってます」と、ミニスカサンタ。「今回の趣旨は。精霊ごとに違う異世界に行ってもらい。魂のロンダリングを行うというものです」


なんと。私の魂は複数世界でロンダリングしないといけないほど汚れていたらしい。驚愕で顔がクワッとなる。という事は、ダンテの神曲も入ってる?ならば、最後にベアトリーチェに会えるかもしれない。と、期待に胸が膨らむ。


「今、複数の女性の姿が浮かんだ気がしますが。まあ、良いでしょう」


「では、これ以上引っ張るのもなんなので」と、ミニスカサンタが手を振ったところで世界が暗転した。

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