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トゥルーウォーア  作者: VIPER
1/1

平和の裏

______


許せない。


世界が。


ここは平和なんかじゃない……


こんなところにいても


幸せになんかなれない!


世界なんか大嫌いだ。


世界なんかいらない。


いっそもう………!


……………………………


____________________


ー登場人物ー


[ピースプロテクション]


緑野(ミドリノ) (メグリ)16才


出灰(イズリハ) (ユウ)16才


月宮(ツキミヤ) 莉愛(リア)16才


上瀬(ウワセ) イオ17才


黒川(クロカワ) 風翔(カザト)17才

____________________


またかー……


けっこう暗い、半壊の建物の中に、

私はいた。

割れた窓に赤い光。

汚れたじゅうたんと散乱した本。

私にとっては

嫌というほど見慣れた場所である。

別に家ってわけではないよ!?


しっかし何回目だろ。

そう、この「夢」は何度も見ていた。

高校生になってすぐ、こんな夢ばかり

見続けている。


最初の夢は、世界が割れる光景。

次は、誰かが戦っている夢。

その次は、戦争。

そして次は__


『メグリ___』


突然名前を呼ばれた。

とっさに周りを見ると、

さっきまでなにもなかったはずの

私の目の前に、

一人の少女がいた。

私とよく似た銀色の髪と、

青い瞳。

だけど私より、はるかに凛々しくて

優しげな……神々(こうごう)しい

というか、天使?みたいな雰囲気。

だけど少し寂しげな…………

とか考えていると、また、


『メグリ』

名前を呼ばれた。

「は、はい…?」

私の口から飛び出した言葉は

なぜか疑問系。

あーあ…

『私はあなたに伝えたいことが

あるため、わざわざ夢の中まで

会いに来ました。』

「えっ?」

『驚くのも無理ないでしょう…

ただ、今から言う事を信じてほしいの!』

強い意思のこもった目で

見つめられたら、

この人は、信じるべきだ。

と勝手に思ってしまう。

だけどきっと、

何か大切な事だと、

すぐに察した。

それに、なぜか、本当になんとなく

だけど、信じられる気がしたのだ。

私は思ったままの言葉を発した。


「信じるよ!絶対に」


すると、その人は優しく微笑んで、

ありがとう、と言った。


『では本題に入るわ』

私は静かに、そしてしっかりと(うなず)いた。


『この世界は元々、2つに分かれていたの。

あなた達人間が住んでいる、

表側の光世界。

そして、魔法使いや天使、悪魔が住む、

裏側の闇世界。

だけどある日、とんでもない事が起きたの。

それは、ワールドバースト。

闇世界の生き残りたちはそう呼ぶわ。

そして今、生き延びた闇世界の者達は、

光世界で暮らしているの』

「じゃあ、もしかして、闇世界は……」

『ええ、なくなったわ』

「どうして!?」

『今から説明するわよ。

よく聞いて…絶対に忘れないで!

__光世界と闇世界はね、

とてもバランス良く、

お互いに平和だった。

しかし、とあるものすごい魔力を持った

魔法使いのせいで、それは

あっけなく崩れてしまった…

その魔法使いが使ったのが、

ワールドバーストと呼ばれる

恐ろしい魔法よ。

相当な魔力がないと使えないし、

絶対に使ってはいけない禁忌の魔法でもある、

本当に恐ろしい魔法………』

静かに語る悲しげな声と、

思い出すような視線が、

ワールドバーストとやらの

恐ろしさを痛いほど感じさせる。

最初に寂しげな雰囲気が

したのは、当たっていた。

昔から人の気持ちを考えるのは

得意なのだ。(※自慢じゃあないよ?)

『そして今は、残った光世界と、

新しい影世界の2つで構成されているの』

「かげせかい!?」

彼女は頷くと、

『影世界はその魔法使いが

創った世界よ。

だけど、光世界と影世界は、

とてもバランスが悪く、

お互いを不安定にする大きな

原因となった。

その不安定さは、あなたの住んでいる

光世界にも、影世界でも

違う形で影響する』

「ええっと…例えばどんなの?」

『光世界では万引きやひったくり、

誘拐などの非行を起こすわ。

大規模なものでは戦争にまで発展する。

そして影世界は、その空間自体が

少しずつ削れていくの』

「そうなんだ………」

『そう。だから影世界の者達は、

自分たちの世界を壊さないために、

自分たちの世界を平和にするために、

光世界を消そうとしている………!』

「そんな!!」

じゃあ………みんな死んじゃうってこと??

『でも、実はあなたには、

それを止められる力があるわ』

「えっ、私魔法なんか使えないよ!?

運動神経もまあまあいいくらいだし…」

私があわててそう言うと、

また優しく微笑んで、

『大丈夫よ。私はあなたに、

魔法を受け継がせるために来たの。

緑野家にのみ伝わる、閃光の魔法を。

あなたは、閃光以外の9つの魔法使いを

集めてほしいの。

10の魔法書を使えば、

世界は救われるわ』

「いきなりそんなこと言われても!」

わけわかんないよ!

『もうすぐ始まってしまうわ。

あなたならできるはずよ。

先祖の私が言うのだから…』


そういうと、私は淡い光に包まれた。


___私の先祖と言った彼女は、


最後に何かを言っていた。


…………私には、信じてるから、と


聞こえた。

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