9話
二人はすいすい、と泳ぎ、岸をめざした。
「…死ぬかと思ったわ」
「あれくらいじゃ、死なないさ…」
「そうじゃなくて…死ぬかと思う程、恐かったってこと!!」
「あぁ、そうゆう意味なのか…」
岸に着いた時には、二人ともびしょびしょに濡れていてた。
あんなきれいなもの初めて見た。
深緑の森。
私は咲に聞きたいことが、たくさんあった。
そして、また一つ…それが増えた。
そして、今日も別々の家へと。。。
私と咲は、夏休み中、毎日ふらふらとした。
森。
神社。
海。
川。
私たちは、毎日笑った。
あなたと居た時間が、夏休み中に一番多かった。
いつか私に、あなたの全てを打ち明けて。
それが、あなたの重荷なら、私が支えてあげるから。
私は、あなたのことを何も知らない。
私は、あなたのことが知りたいの。
ねぇ、あなたの口から教えて…。
これから。
少しずつでいいから。
私に…あなたのこと話して
夏休みが終わる時には、今より、あなたに近付けると良いな。。。
あなたが…少しでも私を必要としてくれたら…
私は咲に
「またね」
と言い、手をふった。
咲は何も言わず、手をひらひらとしてくれた。
また明日…あなたに会いに
あなたと出会った
神社に足を運びます。
だから…
あなたは、いつもの席に
座ってて。。。