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君との距離  作者: ギン狐
7/18

7話



家の中はクーラーでひんやり。



外はジメジメと蒸し暑かった。



私は、ひんやりと冷たい小さな西瓜すいかを持って、昨日と同じ道を歩いた。



さっきから、右を見れば森。


左を見れば、田んぼ。


後ろを見れば、家。


前を見れば、山と道。


と、いう状態が続いていた。


それもそのはず、私が住んでる町は、“都会”と言うには程遠い、田舎。

当たり前のことだった。







神社が見えた。


私は鳥居の前に立った。


咲は…昨日と同じところに、座っていた。




「今日も来たね…」

「駄目だった??」

「いや…」

「ふふ、ジャ〜ン!!」

「おぉ、西瓜か」

「そぅ!!」

「有り難い」

「いえ、いえ」



私たちは石段に座り、西瓜を口にした。      


赤くて、甘くて…。


涼しそうな色の西瓜。




「なぁ、縁。この…西瓜、少しあげていいか?」

「…誰に??」

「此処の主に…」

「勿論、良いわよ」

「すまない。いつも世話になっているからな…」



縁は、にこりと笑った。




「縁…この森 入ったことあるかい?」


咲は、神社の裏の森を指さした。


「ううん、興味はあるけど、迷子になるといけないから…」

「行こうか」

「え?」

「大丈夫、迷わないから」

「行ったことあるの?」

「あぁ…心配ないさ」





縁は森を見て

「行きたい」

と口にし、立ち上がった。



「それでは、行こう。西瓜の礼だ」


「えぇ」



咲は、縁に手を差し伸ばした。


縁は、指先からゆっくりと、咲の手に触れた。


互いの手と手が触れ合い終わる時、咲は力強く、縁の手を握った。




どきん。。。




「離れるなよ?」

「わかったわ」


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