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君との距離  作者: ギン狐
4/18

4話



声をかけてきた少年は…


首筋まで伸びた銀の髪。

白い肌に細い指。

低く淡い声。

白のシャツにズボン。


普通の少年だった。



ただ、人とは違うところが一つ。


彼は顔を隠すが如く、猫の面をしていた。




「座りな…小娘」


彼は挨拶をした後、そう言った。


「小娘じゃないわ。私、16歳よ?」

「驚いた…同い年か…」

彼は、口に手を当てる動作をした。


「あなた…意外に毒舌ね」

「すまない…つい」

「ま、良いけど。小娘ってゆぅのは止めてくれない?」

「…わかった」

「私、神野 ゆかり。あなたは?」

「……サク」

「よろしくね…サク」

「あぁ…?」



私は握手をしようと、手を差し伸ばした。

サクは少し戸惑い、私の手の平を軽くパンと叩いた。


「なに、今の?」

「……挨拶」

「今のが…?」

「あぁ」




私はサクの隣に腰を下ろした。


そして、近くにあった木の枝を手に取り、ブラブラ

とさせて言った。

「あのね、私の名前の“ゆかり”ってゆうのは漢字では…」



「こう書くの。これで“縁”よ」

私は枝を土に当て、“縁”とゆう漢字を書いた。


「ほぅ…」


「サクは?」

私は枝をサクに渡し、問い掛けた。




サクは“縁”と書かれた文字の横に枝をあてた。



「サクってゆ‐漢字は…花が咲くの“咲”だ」



「そうなんだぁ〜良い名前ね」

「ありがとう」

「…女の子らしい名前だけど」

私はわざと、聞こえるように言った。



「………え?」



「ふふ、冗談よ。さっきのお返し」

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