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君との距離  作者: ギン狐
15/18

15話



「そっち暗幕はって!!」

「はいっ」


真っ黒な、暗幕を壁の端から、端へと広げた。

光が、教室内に入らない様、窓側は二重に幕を貼った。



「ねぇ…これ、何作ってるのかしら??」


縁は手の作業を止めず、口を開いた。


「そうね〜強いて言えば…トイレ」

「うん、わかるよ。でも、なんでトイレが必要なの?」

「花子さんが入るため」

「花子さん、もう一人いたのね」


目の前で作業してる島波は、ちら、とこちらを見ると下を向き、ぼそ、と口にした。



「……いない…」



「…えぇ!?何、もしかして私が入れってこと!?」

「うわぁ…神野 頭良い〜」

「私、受け付けが…」

「神野、私もだから…おばけ役」

「なんで??」

「おばけ役が一人 捻挫しちゃってるからよ…」


「うっ…」




「…わかったわ」


「頑張ろうね」


島波は、まばゆい笑顔で言った。









 *  *  *  *



縁たちの教室内は、真っ暗な闇と化していた。

墓や、柳の木などの作りものが並べてあった。

そして、トイレも…。




「すごい、すご〜い!!」

「結構…良くねぇか?」

「おぉ、後は…薄暗いライトと衣裳だけ〜」




ライトにアルミホイルをぐるぐる巻き、教室内にセットした。






「衣裳係り〜どぉだ?」

「……できたっ」

「うぉぉぉ、すげぇ」




「花子さんの衣裳が、これで…着物の女性がこれ」

「ぁ、ありがとう」

「い〜え」


花子さんの服は、ブラウスに赤いスカート…におかっぱのカツラ。


「やだぁ〜神野、ちび●るこちゃんみたい…かわいい!!」

「いや、花子さんだから」

「って、そうゆう島波も似合ってるわよ?」

「そう?」


腰までの髪、白く長い着物。。。







学園祭前日に、全部を作り終えた。

明日が当日だというのに、そんな気がしなかった。




その日の夜は長く、月がちょこんと顔を出していた。

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