14話
「普通に白い着物きた女役Α」
「へぇ〜って、ΑってことはΒもいるの!?」
「うん、あと3人くらい」
「私もそれが良かったわ」
「だめ〜神野は花子!!」
夕焼け空。
神社へと足を運ぶ。
「咲??」
神社には、誰も居なかった。
「縁?何しに来たんだ?」
後ろから聞こえたその声に、私の顔が和らぐ。
「咲っ!!」
「今日は、来るはずじゃなかったろ?」
「うん、でもね…学園祭の準備、明日からなの」
「あぁ、それでか。頑張りな…」
頭を軽く、ぽん、と叩かれた。
「で、学園祭では、何をするんだ?」
「えっと…お化け屋敷」
「ふぅん、縁は??」
「わ、笑わないでね!?は、花子さん役で…受け付け」
「花子??」
「と、トイレの…花子さ」
「ひっ、ひひっ」
全部言い終わるまでに、笑い声が聞こえた。
そして、口に手を当て、必死に笑いを堪えようとしてる姿が、そこにあった。
「わ…らった…」
「す、すまない。しかし、花子で受け付けとは…」
少し間が開き、口を開いた。
「私のクラス、仮装、全員参加だったの」
「ほぅ〜」
「学園祭の準備あっても、たまに、顔見せに来るわ」
「またね、咲」
私はひらひらと手を振った。
ほんの僅かな時間を
私は
惜しんだ。
もっと。。。
もっと。。。
…一日が長ければ良いのにそしたら、今よりあなたと長く居れるから。