13話
私と咲の会える時間が、削られてゆく。
今はもう、学園祭の時期だった。
催し物があるクラスは、それに向けて準備を進めていた。
勿論、縁のクラスもだ。
だから、学校で居残りの
日も多かった。
「えっと…我が校も学園祭の時期がやってきました。そこで、今日は自分達のクラスの出し物を決めて、準備に係りたいと思ってます。何か、やりたいと思う出し物はありますか?」
学級委員が、そう言い終わると男子たちは、すかさず手を挙げる。
「おばけやしき!!」
「喫茶店」
「フリーマケット」
様々な意見が、学級委員に飛んでくる。
そして、どれもこれも有りがちなものばかり。
「ストップ!!」
委員長のその一言に、みんな口を閉じた。
「書記さん、黒板に書いてください」
「はい」
副委員は、黒板に挙げられた意見を、すらすらと書いていった。
「こほん、それでは皆さん、ここからは…多数決としましょう」
委員長は咳払いをすると、にやり、と笑った。
「それでは…」
* * *
結局、クラスの催し物は“おばけやしき”となった。
「ねぇ、神野〜何の役する??」
「えぇ〜私は、受け付けでいいわ」
「さっき話きいてた?クラス皆、仮想はすれ、って言ってたこと」
「でも、やる役ないし…」
「それなら大丈夫〜縁は、花子さん」
「え?」
「トイレの花子さんの役で、受け付け決定!!」
「島波は何するの??」
「あたしは〜…」