報告書
『報告書』
対象:
厄負男雛様の閉じ村
現象:
十年に一度、厄負男雛様の「女雛様」探しで活性化する怪異及び異界の総称。
厄負男雛様は元々、閉じ村の上流にある別村から流れてきた流し雛。通常は夫婦雛で流すが、風習で男雛一体のみで流していた。
女雛から引きはがされた男雛が負の感情を抱き、それにつられて村の厄が集まるという理由。
その流し雛を拾った閉じ村の者が「来年は女雛と添わせてやるから、それまでこの村の厄を吸い取ってほしい」と持ち掛け、男雛は承諾。「厄負男雛様」として村に祀られた。
翌年、「釣り合う女雛がいなかった。また来年までに見つける」と言い訳し、また厄を吸わせていた。
それを十年続けた結果、男雛の嘆きと怒り、溜め込んだ厄が爆発。村全土を飲み込んだ。
村自体は昭和39年8月15日に大規模な山津波で滅んでいるものの、祟りにより村ごと怪異化。
女雛と添わせ、通常の流し雛同様、川に流せば厄負男雛ごと全て流れて助かる、と村人達は思っている為、近隣の女性を引き込み「女雛様」として「厄負男雛様」につがわせようとする。
対処:
条件(十五~二十の娘)に合う術師が村跡地に向かうことで、「近隣の女性」と判断され村に迎え入れられる。村人の判断能力は低下しており、女装した男でも問題無い。
村内と川に封じの呪符を張り巡らせた後、村が滅んだ15日にポイントに向かい異界から脱出すべし。村内のものは口に入れるべからず。ヨモツヘグイにあたるため。
備考:
長きに渡り溜められた厄は、流すだけではすでに清められない様子。
もしも「女雛」と添い、厄負男雛が川を下った場合、肥大した厄により、この地域一体が穢れを負う。十年に一度、村を封じ続けることが現状最善の解決策。
今回の「女雛」役:刀鏡院 雪峯
一言:しんどかった。スイカ食べたい。
刀鏡院雪峯君については、過去作「チーズインハンバーグ、サラダとスープとデザートセット 1300円(税抜き)」をご覧ください(露骨なステマ)